欧博allbetトカラ列島近海 震度1以上の地震 25日夕方までに432回 活発な地震活動なぜ?【詳

鹿児島県のトカラ列島近海で今月21日から相次いでいる地震は、震度1以上の揺れを観測したのが25日夕方までに432回と、過去に活動が活発化したおととしなどを上回るペースとなっています。気象庁は強い揺れを伴う地震に注意を続けるよう呼びかけています。

気象庁によりますと、鹿児島県にあるトカラ列島近海の小宝島付近では今月21日の午前から地震活動が活発になり、周辺の十島村で体に揺れを感じる地震が続いています。

震度1以上の揺れを観測したのは、25日午後4時までに432回に上り、内訳は
▽震度4が6回
▽震度3が21回
▽震度2が114回
▽震度1が291回となっています。

このうち最大規模の地震は、22日の午後5時すぎに発生したマグニチュード5.1の地震で、十島村の悪石島で震度4の揺れを観測したほか、奄美大島など周辺の複数の島でも震度2から1の揺れを観測しました。津波はありませんでした。

また、日ごとに震度1以上の地震回数をみると
▽21日が28回
▽22日が119回
▽23日が最も多く175回
▽24日が59回
▽25日は午後4時までに51回となっています。

トカラ列島の小宝島付近では過去にもまとまった地震活動が起きていて、震度1以上の地震回数は2023年9月は15日間で346回、2021年12月は26日間で308回となっているのに対し、今回はすでに400回以上にのぼり、過去2回のケースを上回っています。

気象庁は「過去には数十日にわたって地震活動が続いたケースもある。当分の間は強い揺れを伴う地震に注意してほしい」と呼びかけています。

震度1以上の地震回数 過去のケース上回る

今回、地震が活発化しているのはトカラ列島近海の小宝島付近で、この領域では過去にも活発な地震活動がみられています。

このうちおととし、2023年の9月は8日から活動が活発になり、22日までの15日間で震度1以上の揺れを観測した地震はあわせて346回に達しました。このときは9月9日だけで全体の半数を超える195回の地震がありました。

最も規模が大きかったのは9月11日のマグニチュード5.3の地震で、悪石島で震度4を観測しました。

さらにその2年前の2021年12月にも活動が活発になっていて、12月4日から29日までの26日間で震度1以上の揺れを観測する地震があわせて308回ありました。

最も規模が大きかったのは12月9日の午前11時すぎに発生したマグニチュード6.1の地震で、悪石島で震度5強の強い揺れを観測しました。

今回、震源域はほぼ同じ領域ですが震度1以上の地震回数はわずか4日間で上回っています。震度4の揺れも22日から24日までに6回、観測されています。

“まとまった地震活動 特殊な海底の地形が影響”分析

トカラ列島近海での活発な地震活動について、この地域の海底地形や地質に詳しい熊本大学大学院の横瀬久芳准教授は、特殊な海底の地形が影響して、たびたびまとまった地震活動につながっていると分析しています。

その上で「過去の活動から、今後も規模の大きな地震が起きるおそれもあるため注意が必要だ」と指摘しています。

鹿児島県の悪石島や小宝島などのトカラ列島は、陸側のユーラシアプレートに海側のフィリピン海プレートが沈み込む、「琉球海溝」に沿うように点在しています。

横瀬准教授は、地震活動に大きく影響しているのは周辺の海底地形だと指摘します。

トカラ列島周辺の海底には複数の「海山」や、より規模の大きな海底の高まり、「海台」と呼ばれる地形が確認されています。

琉球海溝では、海側のプレートが年間6センチ程度のペースで沈み込んでいるとみられていて、この過程で「海山」や「海台」が陸側のプレートを押し込み、ひずみが蓄積しているとみられています。

横瀬准教授は「蓄積されたひずみに耐えきれなくなり、横にずれるかたちで陸側のプレートが割れて地震が起きている。トカラ列島では海底のでこぼこした部分が陸側に常に追突しているような状況なので、たびたび地震がまとまって発生している」と指摘しています。
【1つめのピークのあとに注意】
同じ領域ではおととし9月と、4年前の4月と12月などにもまとまった地震活動が確認されています。

横瀬准教授は、観測網が充実した2000年代以降の地震活動を分析した結果、大きく分けて2つの時期があるとみています。

1つ目は期間としては5日間前後で、地震活動が非常に活発となって回数が多くなります。その後、いったん活動が低調になります。

2つ目は期間としては2週間前後で、1日当たりの地震回数は大幅に減るものの、地震の規模が大きめになる傾向があるということです。

このうち、4年前の12月には、マグニチュード6.1の地震が活動が始まった6日目にあたる12月9日に発生し、悪石島で震度5強の揺れを観測しました。

おととし9月は、活動が始まった4日目にマグニチュード5.3の地震が起きて悪石島で震度4の揺れを観測しています。

横瀬准教授は「今の状況が1つめのピークと考えられる。必ず過去の活動でみられることが繰り返されるわけではないが、最大でマグニチュード6程度の地震が起きるおそれも考えられるので、十分気をつけてもらいたい」と話しています。

【南海トラフへの影響はない】
一方、南海トラフ巨大地震への影響については「南海トラフも陸側のプレートに海側のプレートが沈み込んでいるが、いまトカラ列島で起きている規模の地震が、巨大地震を誘発することはまず無理だと考えている。また、琉球海溝と違って海山や海台が陸側のプレートに衝突するような海底の地形ではない」と話しています。

2025-07-25 09:24 点击量:3