欧博abg【高校化学基礎】#13 中和反応と塩の生成|ばけがく!【化学基礎・化学】
今回のテーマは、「中和反応と塩の生成」。身近な“あの酸っぱさ”が、化学の世界とつながっていること、ご存じでしたか?
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① 中和反応の反応式の書き方▶ 中和反応とは?
まずは基本から。
中和反応とは、酸が出すH⁺(水素イオン)と、塩基が出すOH⁻(水酸化物イオン)が出会って水(H₂O)になる反応のことです。
式で書くとこうなります:
H⁺ + OH⁻ → H₂O
この反応は、「1対1の出会い」です。H⁺とOH⁻がちょうど釣り合って、水ができる。とてもシンプルですが、ここが中和の本質です。
▶ 反応式の作り方(HClとNaOHの例)たとえば、塩酸(HCl)と水酸化ナトリウム(NaOH)の場合:
HCl → H⁺ + Cl⁻
NaOH → Na⁺ + OH⁻
中和すると:
HCl + NaOH → NaCl + H₂O
つまり、イオン式で見れば、「H⁺とOH⁻が水になって、残りのNa⁺とCl⁻が塩(NaCl)になる」というわけです。
▶ 多価の酸・塩基に注意!H⁺やOH⁻が2個ずつ出てくるものもあります。
H₂SO₄(硫酸):H⁺を2個出す
Ca(OH)₂(カルシウム水酸化物):OH⁻を2個出す
この場合、反応式はこうなります:
H₂SO₄ + Ca(OH)₂ → CaSO₄ + 2H₂O
※ H⁺とOH⁻の数がぴったりになるように係数調整を忘れずに!
▶ アンモニアは例外!弱塩基のアンモニア(NH₃)の場合、水が出ないことがあります:
HCl + NH₃ → NH₄Cl
OH⁻を出さないタイプの塩基だからですね。このような例外も押さえておきましょう。
② 塩の性質と液性(酸性・中性・塩基性)▶「塩」って何?化学でいう「塩(えん)」は、酸と塩基が中和してできた化合物のこと。
NaCl(食卓塩)は一例にすぎません。
水に溶かしたときに、その塩が示す性質のことを「液性」と言います。
強酸 + 強塩基 → 中性の塩(例:NaCl)
弱酸 + 強塩基 → 塩基性の塩(例:CH₃COONa)
強酸 + 弱塩基 → 酸性の塩(例:NH₄Cl)
このように、元の酸と塩基の強さで塩の性格が決まるのです。
▶ 酢酸ナトリウム(CH₃COONa)の例CH₃COONaを水に溶かすと──
CH₃COONa → CH₃COO⁻ + Na⁺
Na⁺は何もしないが、CH₃COO⁻が水と反応して…
CH₃COO⁻ + H₂O ⇄ CH₃COOH + OH⁻
OH⁻が出てくるので、液性は塩基性になります。
この現象を「加水分解」といいます。
③ 弱酸・弱塩基の遊離と加水分解▶「遊離」って何?遊離とは、弱い酸や塩基が“追い出される”ようにしてもとに戻ること。
例①:CH₃COONaにHClを加えると──
CH₃COO⁻ + H⁺ → CH₃COOH(酢酸が遊離)
これは、HClが強酸、CH₃COOHが弱酸だから。強い方がイオンになり、弱い方が押し出されるわけです。
例②:NH₄ClにNaOHを加えると──
NH₄⁺ + OH⁻ → NH₃ + H₂O(アンモニアが遊離)
NH₃は弱塩基、NaOHは強塩基。
だから、弱い塩基が元に戻る(=遊離)という流れになります。
中和反応:H⁺ + OH⁻ → H₂O
反応式の書き方と係数調整
塩の性質(中性・酸性・塩基性)
加水分解と液性の判断
遊離反応(強酸 or 強塩基による置き換え)
✅ 練習問題(確認しよう!)Q1.
H₂SO₄ + 2KOH → できる塩は?
A. KCl B. K₂SO₄ C. KOH D. H₂O
→ 正解:B. K₂SO₄
Q2.
酢酸ナトリウム(CH₃COONa)の液性は?
A. 酸性 B. 中性 C. 塩基性 D. 不明
→ 正解:C. 塩基性
Q3.
NH₄ClにNaOHを加えると遊離する物質は?
A. 酢酸 B. 水素 C. アンモニア D. 塩酸
→ 正解:C. アンモニア
中和とは単なる「中性化」ではなく、酸と塩基が正確に反応して、塩や水を生み出す現象。
その背後には、液性・加水分解・遊離といった複雑な化学的ルールが隠れています。
今日学んだ知識は、次回の「中和滴定」につながる基礎になります。
理解の深さが、計算力にもつながっていきますよ!
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